色々な文芸の中でも「連句」程人の心の深いところから生まれたものはありません。その心の入口を探ってみましょう。
付き合い
人間誰でも付き合うと言うことを避けては生きてゆけません。人間同士、自然現象、自分自身。それらの付き合い方を全て表現したのが「連句」なのです。 付き合いは「付け合い」から生まれた言葉だとも言われております。連句を巻いてゆくためには前の句に対して席を同じくする連衆が次の句を付け会うことから始まるわけです。お互いが付け合うことすなわち付き合いにつながるわけですね。
気遣い
社会生活に於いても色々な気遣いがなければなりません。付き合う上で最も大切なことはやはり気遣いではないでしょうか。お互いが好きなことを言い出しては纏まる話もまとまらなくなってしまいます。連句に於いてもこの気遣いが非常に大切な要素になって参ります。
規則
何をするにも規則(ルール)が必要になります。連句ではこのルールのことを式目と言い、式目に従ってすすめてゆくわけです。式目だけでは形だけの内容になってしまいますのでこれを噛み砕いて裁定する役割が必要になります。 これを「捌」と言います。捌の言うことに従って付け合った句を決めてゆくわけです。社会組織の原型みたいですね。
興業
こうやって連句は始まるわけです。これを「興業」と言います。何人かのグループで形成されます。これを「座」と言います。この座に座った以上はみんな平等です。同じ時間と空間を平等に共有し合うからです。ここにまた連句の原点があります。
季節感
連句は発句から始まります。この発句が独立して今の俳句になって一人歩きを始めたわけです。ここで大切なのが季節感です。その刹那の季節感を捉えて五・七・五に並べるわけです。しかも挨拶の心を忘れてはなりません。
どんな季節の言葉があるかは日常生活でもある程度は理解しておりますが、普通は歳時記を見て季節の言葉すなわち季語を見つけることになります。これが連句の入口です。家で言えば玄関になります。
こうして楽しく長句(五・七・五)短句(七・七)と並べ進めます。